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屋根の構造を断面図で解説|7つの層と、見積もりで差がつく場所

屋根の構造。屋根材・桟木・ルーフィング・野地板・垂木・断熱材・天井の7つの層と、見積もりで差がつく場所を解説する記事のアイキャッチ

屋根の見積もりを見て、こう思ったことはないでしょうか。

  • この金額が高いのか安いのか分からない
  • そもそも屋根に何が使われているのか知らない
  • 会社によって書いてある数字が違う

私は自分のアパートで、一括見積もりサイトを5つ使って13社に依頼しました。そのうち屋根の明細まで残っているのが8社分です。

同じ屋根なのに、屋根だけの金額は0円から102万円まで開きました

この差がどこから出ているのかは、屋根の構造を知ると説明がつきます。この記事では、まず屋根の断面を見てから、見積書のどこで差がつくのかを順番に説明します。

リフォーム営業を5年、施工管理(現場監督)を4年やってきた経験と、施主として13社に会った経験の両方から書きます。

もくじ

屋根は7つの層でできています

屋根の断面構造図。1.屋根材(スレート)2.桟木 3.ルーフィング(防水シート)4.野地板 5.垂木 6.断熱材 7.天井を番号付きで解説
屋根の断面。塗装で守れるのは、いちばん上の1だけです

いちばん上のスレート(屋根材)から、いちばん下の天井まで、屋根はこの順番で重なっています。

番号名前役割
1屋根材(スレート)雨風・紫外線を最初に受ける。塗装するのはここだけ
2桟木屋根材を留めるための木材
3ルーフィング(防水シート)実際に雨水を止めている層
4野地板屋根材を支える下地の板
5垂木屋根の骨組み
6断熱材熱の出入りを抑える
7天井室内から見える面

ここで大事なのは、塗装で手を入れられるのは1の屋根材だけだということです。2から7は、屋根を解体しないと交換できません。

雨水を止めているのは、屋根材ではありません

屋根の防水の仕組み。屋根材は水を流す部材で、実際に雨水を止めているのは下のルーフィング(防水シート)であることを示した比較図
屋根材は水を流す部材。防水はその下のルーフィングが担っています

意外に思われるかもしれませんが、屋根材そのものには防水機能がありません。スレートは水を吸います。

屋根材の役割は、雨水を受けて下に流すことです。それでも入り込んだ水を止めているのが、3のルーフィング(防水シート)です。

この関係は外壁と同じです。外壁材にも防水機能はなく、内側の防水シートが雨水を止めています。外壁の構造は外壁の構造を断面図で解説にまとめています。

だから「塗れば雨漏りが止まる」とは限りません。

雨漏りしている場合、傷んでいるのはルーフィングであることが多いです。その場合は塗装ではなく、カバー工法や葺き替えの検討になります。

塗装で直りますかと聞いて、即答で「直ります」と言う会社には、根拠を聞いてください。

同じ屋根なのに、数量が1.6倍ちがいました

屋根の数量が会社によって違う理由の図。図面から計算すると189㎡、傾斜を見込むと300㎡で1.6倍の差が出る
8社の見積書に書かれた屋根の数量。最小189㎡、最大300㎡

ここからが見積書の話です。

屋根の面積は、建物が決まれば1つしかないはずです。それなのに、見積書に書かれた数量は会社によって違いました

会社見積書に書かれた屋根の数量
A社・B社300㎡
D社262㎡
C社260㎡
E社212㎡
I社208㎡
F社189㎡
同じ屋根に対して出された数量。最大と最小で1.6倍ちがう

最小の189㎡と最大の300㎡で1.6倍です。仮に単価が同じでも、これだけで金額は1.6倍になります。

なぜ違うのか

屋根は外壁と違って、地上から測れないからです。

  • 図面から計算する
  • 実際に屋根に上がって測る
  • ドローンで撮影してから計算する
  • 傾斜のぶんをどう見込むか

この4つのどれを選ぶかで、出てくる数字が変わります。実際、A社はドローンを飛ばして屋根の写真を撮ってから数量を出していました。

現地調査のあとに、この2つを聞いてください。

  • 屋根には上がりましたか
  • この数量はどうやって出しましたか

見ていないのに数量を出している場合、その数字には根拠がありません。ドローンや図面でも構いませんが、答えられること自体が判断材料になります。

屋根には、外壁にはない追加費用があります

急勾配だと、屋根の上にも足場が要ります

急勾配屋根には屋根足場が必要になることを示した比較図。見積書では260㎡×600円で156,000円が計上されていた
急勾配の屋根には屋根足場が必要になります

屋根の傾斜がきついと、ハシゴや屋根の上を直接歩けません。そのため屋根の上にも足場を組む必要が出ます。

私の見積書では、C社だけに「屋根 仮設工事 急勾配屋根用足場組 260㎡ × 600円 = 156,000円」という行がありました。

ところが、同じ屋根を見たG社はこう言っています。

この屋根の勾配なら、ハシゴで作業できるので足場代はいらないですよ

同じ屋根で、判断が分かれました。どちらが正しいかは断定できませんが、15.6万円という金額が、会社の判断ひとつで乗るということです。

見積書に「屋根足場」「急勾配加算」という行があれば、なぜ必要なのかを聞いてください

塗ると隙間がふさがるので、隙間を作り直します

タスペーサーと縁切りの説明図。塗料で屋根材の隙間がふさがると水が抜けなくなるため、部品を挟んで隙間を確保する
タスペーサーで、屋根材どうしの隙間を確保します

スレート屋根は、屋根材を少しずつ重ねて葺いてあります。その重なりの隙間から、入り込んだ水が抜けるようになっています。

ところが塗装すると、この隙間が塗料でふさがります。ふさがったままだと水が抜けず、内部にたまって逆に傷む原因になります。

そこで、重なり部分に小さな部品を挟んで隙間を作り直します。これがタスペーサーです。カッターで切って隙間を作る「縁切り」という手作業で代用することもあります。

タスペーサーの行がない見積書は、聞いてください。

やらないのか、単価に含んでいるのか、縁切りで代用するのか。行がない=手抜き、とは限りません。ただ確認する価値はあります。

屋根の金額は、この3つで決まります

屋根塗装の金額の内訳図。㎡単価×数量に、高圧洗浄・下地処理、屋根足場やタスペーサーなどの追加費用が加わる
屋根塗装の金額は「㎡単価 × 数量 + 追加費用」で決まります

ここまでを整理すると、屋根の金額はこの式になります。

㎡単価 × 数量 + 屋根だけの追加費用

私が受け取った8社の見積書では、それぞれこう開いていました。

項目いちばん低いいちばん高い
㎡単価1,550円(シリコン)3,940円(フッ素)2.5倍
数量189㎡300㎡1.6倍
屋根だけの金額0円102万円
同じ屋根に8社が出した見積書から抜き出した数字

0円というのは、見積もりを出さなかったという意味ではありません。屋根に上がって状態を見たうえで「この屋根はまだ塗らなくていい」と判断した会社です。

残りの7社は、全社が塗る前提で見積もりを出しました。同じ屋根を見て、判断が分かれたということです。

この会社との話は屋根塗装はいらない?4社に同じ要望を出したら1社だけ「必要ない」と言われた話に書いています。

屋根の見積書で、最初に見る場所

金額から見ないでください。先に数量を見ます

  • 数量(㎡)が書かれているか。「一式」だけなら、出してもらう
  • その数量はどうやって出したか
  • ㎡単価が書かれているか。塗料名とセットで確認する
  • 屋根足場・タスペーサーの行があるか。なければ理由を聞く
  • そもそも今回塗る必要があるか

8社分の見積書を、塗料名・数量・単価まで並べた記事はこちらです。

屋根塗装の費用相場は㎡単価で見る|同じ屋根に8社が出した金額は0円〜102万円でした

まとめ

  • 屋根は7つの層でできていて、塗装で守れるのは屋根材だけ
  • 雨水を止めているのはルーフィング。塗れば雨漏りが止まるとは限らない
  • 屋根は地上から測れないので、数量が1.6倍ちがった
  • 急勾配の屋根足場は15.6万円が乗ることもある。判断は会社で分かれた
  • 塗ると隙間がふさがるので、タスペーサーで作り直す
  • 金額は㎡単価 × 数量 + 追加費用。8社で0円〜102万円だった

外壁の構造もあわせて知っておくと、見積書の全体が読めるようになります。

外壁の構造を断面図で解説|サイディングとモルタルはどう違う?

契約前に確認する順番は、こちらにまとめました。

外壁塗装の業者の選び方|13社に依頼して分かった契約前の確認手順

1社ずつ自分で探すのは現実的ではないので、複数社に声をかける手段として一括見積もりサイトを使うことになります。42社を採点した結果は一括見積もりサイト42社の比較ランキングにまとめています。

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