- サイディングとモルタルってどんな外壁?
- 外壁の構造と塗装って関係あるの?
- 内部構造を知ると、外壁塗装を失敗しないの?
外壁は1枚の板ではありません。サイディング外壁は7つの層、モルタル外壁は6つの層でできていて、塗装で手を入れるのは、いちばん外側の1層だけです。
サイディング外壁の層(外側から)
- サイディングボード
- シーリング
- 胴縁(どうぶち)
- 防水シート
- 構造用合板
- 柱・間柱
- 断熱材
モルタル外壁の層(外側から)
- モルタル
- ワイヤーラス
- 防水シート
- 木ずり
- 柱・間柱
- 断熱材
胴縁があるものを通気工法、ないものを直張り工法と呼びます。2000年ごろより前に建てた家は直張り工法の可能性があり、湿気の逃げ道がないため、適した塗料や下地処理が変わります。
どちらの工法かは、外から見ても判断できません。手がかりになるのは建てた年だけです。
自分の家の外壁がどういったものなのか意外と分からなかったりします。外壁の種類は分かっても、中の構造まで知っている方はかなり少数です。
構造まで知ることで外壁の知識が深まり、業者の言いなりで、まかせっきりにしなくてもよくなります。外壁塗装は手抜き工事、ボッタくりが多いので知識は武器になります。
本記事では家の外壁に何を使っているのかを知ってもらい、構造図と断面図を使用してサイディング外壁とモルタル外壁を解説していきます。
- 外壁塗装をする目安
- サイディング外壁とモルタル外壁の内部構造
- 外壁塗装の重要性
外壁塗装は100万円前後の大金を使うので、100万円に見合った納得のいく外壁塗装の手助けができればと思います。
▼先に構造を知りたい方はクリック(タップ)してください▼

現場経験
9年
この記事を書いた著者
川東 治郎 (Kawahigashi Jiro)
プロフィール (クリックすると詳しく見れます)

- 外壁塗装の一括見積もりサービスを5サイト利用し、13社を紹介してもらい、10社から見積書をもらいました。
- リフォーム営業と施工管理で現場経験9年
- 安心して外壁塗装ができるように、もらった見積書の内容を公開しています!見積書を公開した記事
サイディング外壁とモルタル外壁を塗装する目安
外壁材にはサイディングやモルタルなど多くの種類があります。最近ではサイディング材が多く採用されていますが、80年ぐらいまではモルタルが主流でした。
外壁材の使用率と外壁塗装の必要性について見ていきましょう。
戸建住宅の外壁素材別のシェア率

| 外壁材 | シェア率 |
|---|---|
| 窯業系サイディング | 76.8% |
| アルミサイディング | 7.1% |
| 金属系サイディング | 6.2% |
| モルタル | 7.6% |
| ALC | 0.6% |
| 木質 | 0.4% |
| その他 | 2.3% |
2020年8月以降から20201調査時点までに建てられた全国都道府県(沖縄を除く)の居住専用の木造並びにプレハブ住 宅を対象
上記のグラフは新築時の外壁材の使用率です。
「サイディング」だけで約9割占めてます。サイディングには様々なデザインや種類があり、初期費用が抑えられることで選ばれています。
モルタル外壁は昔に比べると徐々に減っています。しかし、街中にモルタル外壁の家が多いのは、80年代までモルタル外壁が主流だったためです。
外壁塗装をしないとどうなる?
外壁材そのものには防水性は備わっていないため、はじめから外壁には塗装されています。その塗装が劣化すると、外壁材を守る防水性が低下して、雨水が家に侵入する雨漏りの可能性があります。
外壁塗装を定期的にすることで、雨漏りによる大規模な修繕工事をしなくてよくなります。定期的なメンテナンスは長い目で見ると経済的になります。
外壁塗装をしない場合は以下の6つに注意が必要です。
- 雨漏り
- 修繕費が高くなる
- 害虫の侵入
- 家の寿命が短くなる
- 家の資産価値がなくなる
- 見栄えが悪くなる
外壁塗装を本当にする必要があるのか、気になる方は下記の記事がおすすめです。
外壁塗装しないとどうなる?外壁塗装が必要な理由と、具体的になぜ必要なのかを家の構造図と共に簡潔に解説
外壁メンテナンスの目安

外壁塗装をする時期は、立地環境や現在使用している塗料などにより、家によって異なります。全く同じ外壁塗装の計画が建てられる家はないです。
しかし、外壁塗装の考え方や本質的は同じなので、大まかな目安を説明していきます。
外壁材:耐久年数30年(窯業系サイディング)
塗料:耐久年数12年(シリコン塗料)
シーリング材:耐久年数10年
シーリング材とはサイディングの間の目地や、外壁と窓のサッシの間によく使用されている、ゴムのような弾力のある材料のことです。
上記の図の場合、シーリングが一番早くメンテナンスが必要になります。ここでいったんシーリングのメンテナンスをする必要がありますが、その際に外壁塗装も一緒にすることをおすすめします。
足場設置の費用は、シーリング工事と外壁塗装を一緒にすることで1回分にできるからです。
なお、見積書に出てくる「シーリング」と、業者が言う「コーキング」は、現場ではほぼ同じ意味で使われています。目地の中がどうなっているか、打ち替えと増し打ちで何が違うのかは、こちらに断面図でまとめました。
コーキングとシーリングの違いを断面図で解説|打ち替えと増し打ち、見積書で見る場所
約30坪の家で足場設置の費用が約20万円かかります。20万円を2回で計40万円を足場設置で使うよりも、一緒にするほうが費用を抑えられることが多いです。
とはいえ毎回そうするのではなく、塗料とシーリング材の耐久年数が同程度ものに合わせることで次回からはコストを抑えて外壁塗装ができます。
例えば、塗料の耐久年数10年とシーリングの耐久年数10年にすると、上記条件より少し塗料のグレードを下げられます。グレードを下げることでコストも抑えられます。
サイディング外壁の構造と設置工法
サイディングは耐火性、耐久性に優れ、デザイン性も高いです。工場で生産されることにより品質が安定しているという特徴があります。
サイディングの構造

- 1.サイディングボード
-
建物の一番外にあたる外壁パネルのことです。
ここが雨や風から家を守る1次防衛の場所。
- 2.シーリング
-
サイディングボードの間のつなぎ目を埋めるようにします。
サイディングボード同士をピタッとくっつけると、地震などの揺れがあった場合に割れてしまうので、シーリングがクッションのような役割をします。
水の侵入を防ぐ重要な役割もあります。
- 3.胴縁
-
胴縁があることにより、サイディングボードと防水シートの間に空間ができます。この空間が空気の通り穴の「通気」になる。通気ができるので湿度を一定に保つことができる。
雨水が防水シートまで入ってきた場合でも、通気から水を逃がすことができます。
- 4.防水シート
-
外壁材や屋根材の下に敷かれた防水シートは、雨漏りを防ぐことが役割です。
雨水から家を守る2次防衛の場所
防水シートは合板にタッカー(大きいホッチキスのようなもの)で固定していくので、新築時から穴が開いている状態です。また、時間がたつと経年劣化で破れるなど、防水シートの内側に雨水がはいると雨漏りになります。
- 5.構造用合板
-
家の強度を上げる役割がある。
- 6.柱・間柱
-
柱は家の構造を支える柱
間柱は、部屋の内側の壁を支えるための柱
- 7.断熱材
-
外側と内側との熱を遮断する役割
サイディングの外壁塗装とは、1番外側にあるサイディングボードの塗装とシーリング材の補修のことを言います。サイディングボードは雨を防ぐための1次防衛の場所なので、メンテナンスをして防水することが重要。
胴縁がある工法を「通気工法」と言い、サイディングボードと防水シートに間ができ通気を良くしています。
「通気工法」と「直張り工法」

2000年ぐらいまでは、胴縁のないサイディングボードを防水シートに張り付けている「直張り工法」が主流でした。
昔の家は気密性が低く、室内が外と変わらない温度だったので、結露が存在しませんでした。そのため湿気を逃がすという概念すらなかったので、すべて直張り工法だったのです。
1980年代に「気密断熱」の考えで家が建てられるようになり、その段階では直張り工法だったため、結露や湿気が発生して家の劣化を早めました。
気密断熱とは、外気温が家に入らないように遮ることで、内気温が外に逃げないようすることです。
現在では外装材内側と断熱材との間に通気層を設け、結露や湿気の防止する「外壁通気工法」を標準として家を建てるところがほとんどです。
通気工法のメリットデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 通気があるので、乾燥状態を保てる 水気による早期劣化を防げる | 通気があることで断熱性が劣る 火災の際に、通気が煙突効果で火のまわりを良くさせてしまう |
直張り工法のメリットデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 通気工法よりも火災時に安心 | 水分の乾燥ができず家を傷める |
構造を知ると、見積書の見え方が変わります。
たとえば「防水シート」や「胴縁」は、外から見えないので見積書に書かれていても確認できません。だからこそ、書かれている数量と単価が妥当かを比べることが必要になります。
私は自分のアパートで10社から見積書をもらいました。同じ建物なのに最安160万円、最高458万円でした。金額も内訳もそのまま公開しています。
自分の家がどちらの工法かは、外から見ても分かりません
ここまで読んで、「うちはどっちなんだろう」と思われたはずです。通気工法か直張り工法かは、壁の中の話なので外観からは判断できません。
手がかりになるのは建てた年です。2000年ごろより前に建てた家は、直張り工法の可能性があります。ただしこれも目安でしかなく、確実なのは現地調査で見てもらうことだけです。
直張りの壁は湿気の逃げ道がないため、適した塗料や下地処理が通気工法とは変わります。ここは業者の見立てが分かれるところで、工法に触れずに見積もりを出してくる会社もあれば、現地でしっかり確認して提案を変えてくる会社もあります。この差は、複数社に見てもらってはじめて分かります。
私は自宅の外壁塗装で13社に来てもらいましたが、同じ家を見ているのに説明の深さも金額もまったく違いました(160万円〜458万円)。屋根を塗るかどうかの判断すら、業者によって分かれました。1社だけの話を聞いていたら、その提案が妥当かどうか判断できなかったと思います。
当サイトの記事へ移動します。申し込みではありません。
実際に受け取った見積書の中身を見たい方は13社に依頼した結果をどうぞ。
分からないままでも、業者に聞けば分かります。
現地調査に来た会社に「うちは通気工法ですか、直張りですか」と聞いてください。答えられない、あるいは調べようとしない会社は、その時点で判断材料になります。
ほかに契約前に確認することは、こちらにまとめています。
構造だけでなく足場の数量も会社によって割れます。同じアパートに10社が出した数量は380㎡〜556㎡で1.46倍の差でした。計算式を知っていれば自分で検算できます。
外壁塗装の足場の構造と相場|同じ建物で数量が1.46倍ちがった話
モルタル外壁の構造とメリットデメリット
モルタルの外壁は左官職人が手作業で塗って仕上げるため、時間とコストがかかる反面、自由度が高く様々な質感が楽しめます。
モルタルには微細な穴が多数あき、通気性が高いため、湿気の多い日本に適した外壁です。
モルタル外壁の構造

- 1.モルタル
-
モルタルとは、「セメント」と「水」と「砂」を混ぜたもので作られます。
防火性が高いので、近隣が火事の際に燃え移りにくい特性があります。
サイディングのようにシーリングを使用していないのでつなぎ目がないのも特徴です。
雨や風から家を守る1次防衛の場所。
- 2.ワイヤーラス
-
ワイヤーラスとは鋼鉄線(ワイヤー)を編んだものです。
モルタルを塗る際に、絡ませる下地の役割をします。
- 3.防水シート
-
外壁材や屋根材の下に敷かれた防水シートは、雨漏りを防ぐことが役割です。
雨水から家を守る2次防衛の場所
防水シートは合板にタッカー(大きいホッチキスのようなもの)で固定していくので、新築時から穴が開いている状態です。また、時間がたつと経年劣化で破れるなど、防水シートの内側に雨水がはいると雨漏りになります。
- 4.木ずり
-
ワイヤーラス、防水シートの下地の役割
- 5.柱・間柱
-
柱は家の構造を支える柱
間柱は、部屋の内側の壁を支えるための柱
- 6.断熱材
-
外側と内側との熱を遮断するためのもの
モルタル外壁のメリット・デメリット
つなぎ目もなく、耐久性の高いモルタル外壁ですが、どのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 耐久性が高い デザインの自由度が高い 耐火性に優れる | ひび割れ 汚れが目立つ |
モルタル外壁は、定期的なメンテナンスをすれば30年以上は持つといわれています。
サイディングのようなシーリングでのつなぎ目がないので、劣化しづらい特徴があります。また、モルタルは不燃材のため延焼しにくいです。
モルタル外壁は、塗装の時に水を使うので、乾燥過程で収縮が起きひび割れしやすくなります。また、モルタル自体に防水性がなく、水を吸収する特性があります。吸収と乾燥を繰り返すことでひび割れが生じます。
防水性のある塗料を塗ることで、外壁材の劣化を防ぐことができます。
外壁の色は、塗ると次に変えられるのは10年以上先です。後悔する原因のほとんどは見本より明るく見える「面積効果」で、汚れが目立たない色にも理由があります。
外壁の色で後悔しない選び方|現場9年で見てきた失敗の原因と汚れが目立たない色
まとめ|サイディング外壁とモルタル外壁
構造が分かると、見積書のどの数字がどこの話なのかがつながります。同じ形式でまとめています。
- 屋根の構造を断面図で解説|7つの層と、見積もりで差がつく場所
屋根も7つの層でできています。どの層まで手を入れるかで金額が変わります。 - 外壁塗装の足場の構造と相場|同じ建物で数量が1.46倍ちがった話
同じアパートに10社が出した足場の数量は380㎡〜556㎡。自分で検算する式まで書いています。 - 外壁塗装は3回塗りが基本|断面図で見る下塗り・中塗り・上塗りの役割
塗り終わったあとでは回数は分かりません。差が出るのは断面だけです。

最後にこの記事で書いた内容をまとめます。
- 外壁塗装をする目安
- サイディング外壁とモルタル外壁の内部構造
- 外壁塗装の重要性
外壁材そのものには防水性能はないです。外壁にまとっている塗膜に防水性があり、塗装が劣化すると1次防衛が突破されるだけでなく、外壁材の劣化も早まります。
外壁材と外壁の構造を知ることで外壁塗装の重要性が分かってもらえたと思います。
外壁塗装で1番重要なことは業者選びです。業者選びに成功すると外壁塗装は成功します。
業者選びは納得のいくまで慎重に選んでください。高い金額を払ってする工事なので、後悔のない外壁塗装をしましょう。
しかし、外壁塗装をどこで頼めばいいのか分からない方は多いです。
様々な見積もりサイトがあるので選ぶのも大変ですが、当サイトでは42社を数値化し、ランキング形式でまとめています。あなたに合った良い業者を見つけることができ、失敗しない外壁塗装ができます。

下記は合わせて読むとより外壁塗装がより全体的にわかります。

工法が分かったら、次は見積書です。床面積と塗装面積は別の数字で、数量の取り方で金額は大きく変わります。
外壁塗装の見積もりが高い?金額の前に見る7項目【比較シート付き】
出典として「外壁塗装ハック」と書き、この記事へリンクしていただければ、図をそのまま使えます。連絡は不要です。
引用のルールと、調査データ集を見る


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